Amazonの時代

日記
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水上ドローンを作っている時、試作品をよく作ります。
デザインシンキングでも、アイデアはプロトタイプを作ってみようと推奨されます。
アイデアをモノにしていく過程で、ふと思うことがあります。

Amazon/Aliexpressなくしては作ることができない。

ちょっとここに机の上の写真を載せました。
Amazonで購入したものは、アンテナコネクター付きWIFI USBドングル、SMAコネクター付きのケーブル、接続金具。
ちょっと向こうに見えているものは真鍮製のベアリングボールです。

これらをお店を回って揃えようとすると、まぁ揃わないでしょうね。
秋葉原に行って「耐水の同軸ケーブルありますか?」と聞いたことがあります。すると「どんな強度でどんな太さかなど、すべて決まっていてメーカーに問い合わせないと無理」という回答でした。
つまりケーブル屋に行っても、店員はなーんにも知らないのです。
これは流通業一般に言えることで、お店の人が売っている商品に詳しいかというと、あまり期待できません。
試作品を開発しているほうとしては、この世にないものを作り出しているわけで細かい仕様は後から決めます、なにかモノを見てありもので始めなければ未来永劫できあがりません。

特注品や試作品を作る時は、既存の商店とはまったく折り合いがつかないのです。
なんとなく「こんな感じのものはないかな」という探し方はメーカーにしろお店にしろ、人と会話した途端に面倒になります。

上の例で出した真鍮ベアリングボールのように、本来の目的じゃないことに使うのが普通です。

楽天は目指す商品にたどり着くまでに、嘘だらけの検索結果しか出さない検索とギラギラした広告を見なきゃたどり着きません。たどり着いた先には説明書きすらないことが多い。

モノタロウはもっとひどくて商品はならんでいますが、どういうものか、写真すらないことがありますし、ユーザーの使ってみた声もほとんどないのでさっぱりわからない。わかっている人のリピート買い用ですね。
それでも、例えば管材は専門店より安く返品できたりしますから、専門店の存在意義をなくしてしまっていたりします。

結果的に、漠然とイメージしている部品は、AmazonかAliexpressで探します。
ヨドバシカメラのほうが一般的には評価が高いですが、ロングテールをどんどん辿るとするとAmazon、さらに探したいならAliexpressですね。

センサーとケーブルを接合するわけですが、その部分をカバーしてくれるIPX68の耐水性のカバーなんてAliexpressでしか入手できないです。日本では制作していません。

さらに部品加工をしたいと考えます。
当たり前ですが、加工業者さんは加工することで食べていますから、どこをどれくらいの加工をするのか、ぎっちりスペックが決まっていないとやれません。
しかも加工賃はそれなりします。
たとえば5mm厚のアルミ板を試作で加工したいとします。加工業者さんのところのアルミ板はAmazonの倍の値段します。そして加工賃はその板よりも高いなんて普通です。

結局、加工する形をなんとか円形で済むようにしてドリル、リーマー、ホールソーなどの道具を、これまた適正なサイズのものをAmazonで見つけて買って自分で作業したほうが、ほとんどの場合、安いのです。しかも自分でやるから試行錯誤をふくめ、やりなおしが効きます。

逆に考えると、Amazonがない時代は試作用の部材をどうやって集めていたのか想像もつきません。
あちこちからカタログブックを取り寄せて、部品の図書館を持たないと難しかったのではないでしょうか。
イメージを掴みにくいので、時間とおカネが莫大にかかったと思います。展示会もありがたかったかもしれません。

いい時代にものづくりしているなぁ、と思います。

ただし、具体的な試作品のイメージから実際に動作するものを作れるためには、個々の技術が必要であることは言うまでもないことです。

 

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